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コラム 三寒四温

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「半分、タコい。」その1          ~ iba2018視察旅行記 ~

ミュンヘン郊外の高級住宅地、バイエルン州の一角にひっそりと位置するヒストリックタウン「アイイング」の小さな村は、アイイング一族が200年以上も前に移り住み、まず教会を建立してから、農業とビール醸造の村として現在に至っています。特に名産品の「アイイングビール」は、現在ミュンヘンを代表するビール会社としてオクトーバーフェストでテントを出すほど有名な会社です。この地に80年ほど前に建てられたプチホテル「ホテルアイイング」は工夫を凝らし、同じスタイルの部屋がないほど個性豊かなつくりです。とはいえ元々は従業員用の宿舎として建てられたとのこと。自然とホスピタリティーあふれるここアイイングホテルを拠点とし、我らiba 2018視察団一行は、〝感性〟を磨く欧州視察旅行の第一歩として荷をほどきました。

翌日訪れたiba展では、世界中から最新の製菓・製パンに関する機械や関連商材が東京ビッグサイトを上回る巨大な会場で実演展示される様は圧巻の一言。3年ごとに訪れていますが、毎回その規模や展示物など、すべてのクオリティーの高さに驚かされます。

iba 2018の内容は後日、「日本パン・菓子新聞」でご紹介しますので割合させていただきますが、興味を抱いた機械をひとつだけご紹介します。それは、トンネルオーブンから焼き上がってできた食パンを、通常はクーリングコンベアで約90分かけて30℃くらいまで内相温度を下げるのですが、こちらは真空冷却方式で約10分でその過程を終わらせるという、スグレモノの時短マシーンでした。

iba展視察初日のディナーはミュンヘン市内、マンダリンオリエンタルホテルの2階で、ミュンヘンで一番予約が取り辛いという世界のNOBUさんが経営する「MATSUHISA」でのフルコースディナーです。実はマンダリンには縁があり、昨年開催した弊社創業70周年記念ツアーでタイ・バンコクのプレジデントベーカリー社の最新鋭工場を訪れて大歓迎を受けた際、アピチャー社長から“我々とiba視察団のご一行で、ディナーを一緒にいかがですか” と誘われていたのです。一年後、約束の日のディナーのレストランが奇しくもタイで宿泊したマンダリンオリエンタルホテルバンコックが経営するマンダリンオリエンタルミュンヘンだったとは。世界有数のホスピタリティーと称される最高級ホテルでの思い出が繋がりました。

総勢36名でのビッグディナーで日・タイ交流をあたためるドイツでの一夜。おいしい料理の数々が、笑顔の絶えないおしゃべりで味付けされた素晴らしいひと時となりました。

さて、このタイトルの意味は? (その2に続きます)


思いもよらない

海外出張帰りの全日空機内にて。

日本語に飢えている私は日経の1面から順に、全ての記事に目を通します。その中で電子版に掲載されていた「日本酒品評会」の記事が気になって読み進めていくと、それはフランスのパリで開催された「KURA MASTAR2018」の結果を伝えるものでした。これは日本全国の酒蔵から出品される多数の日本酒がフランスの飲食業界関係者によって審査される品評会です。まだ昨年から始まったばかりで今年は2年目ですが、かなり盛り上がっているようで大会HPでは、「フランス人によるフランス人のための、フランスの地で行う日本酒のコンクール。フランスの歴史的食文化である“食と飲み物の食べ合わせのアバンチュール”を体験し、さらにフランス市場において日本酒をアピールする場の提供」とありました。

昨年は純米大吟醸酒が金賞をほぼ独占、というよりも、日本国内でも同様に大吟醸酒の人気は高く、人気メーカーの酒は通常価格の5~10倍と高騰したプレミア価格が当たり前で、ネット通販での加熱ぶりに食品スーパーが追従しているのが現状です。純米大吟醸とは酒米を通常50%以上磨いて(削って)仕込むことで格付けされるらしいのですが、時には25%以下まで贅沢に磨き込む銘柄も存在します。しかし私にはイマイチ見分け(味分け)がつきません。しかし人気加熱で入手困難なプレミア日本酒ほど先入観が下駄を履かせるのか、一層おいしく呑めてしまうのは家内も同じで、世の中の左党が認めているからこそのプレミア商品なのでしょうね。

KURA MASTAR2018の栄えある第一位、グランプリ輝いたのは大分県の中野酒造が出品した「智恵美人」(ちえびじん)で、50%以上磨かない“純米酒”でした。発表会場はどよめきに包まれたと聞いています。記事によると、中野酒造の担当者は胸を張って「米を磨くよりも米の多く
の成分を生かしてつくりました」。お見事なコメントであります!

パン用の小麦粉は決して酒米のように磨く事はありません。「砕く」のです。何回も何回もロール機で砕かれた小麦はふるいにかけられ、ひと粒々がやがて粉となり、なおもふるいにかけてふすまを取り除くことで、ようやく純白のパン用小麦粉となります。古代から続く製法から解き放たれて、麦のさまざまな成分を生かした斬新なアイデアでの生産方法が現れる日が来るかもしれません。とはいえ私自身も世界中の製パン関係者も、今の方法がベストだと信じているうちは、“思いもよらない”事はそうそう起こらないのでしょう。

おいしいパンをいつもありがとうございます。

上質のアウトプット

食パンの製造は、
生地が発酵して“ナンボ”です。

 もちろん使用する食材によって材料は複雑に配合・ミキシングされ、湯種・中種・ストレート法など各社の独自開発により、品質の優れた食パンが生まれます。焼成後もクーリングやスライス、そして包装という工程が続き、製造担当者にとっては一瞬の手抜きやミスも許されない緊張の連続でしょう。現代の食パンライン、特に大手ベーカリーでは大半が全自動で稼働しています。しかし、オートメーションの恩恵を過信していると、不慮のトラブルや「人為的なミスによる事故」が発生しかねません。なぜなら、機械はしょせん機械であり、高度に発達した生産ロボットも“すべては人間”が作り上げたもの。100%の成功などありえないのが当然と心得るべきでしょう。

ラインでの製造工程で異常を知らせるブザーが鳴り響いても、1つのミスが改善されればブザーは止まります。ラインは何事もなかったかのように再稼働します。しかし、果たしてミスはその1点だけでしょうか? 原因は必ず他にもあるはずです。しかし、ミキシング、発酵、プルファー、分割それの工程一つひとつのミスをとことん、“今すぐ”洗い出すとなると、すべてのラインをストップし、メイキング過程における「理想所要時間10分以内」は刻々とオーバーしてしまいます。そうなったら過発酵や生地の水分が抜けてしまい乾燥・劣化する等、品質への影響は計り知れません。

今日、製パン企業の生命線でもある食パンを生産している世界の製パン企業はテクノロジーを過信する事なく工場管理者の皆さんが、さらなる感性を駆使して今までインプットしてきた製パン法をいかにバージョンアップしてアウトプットできるかが課題ではないでしょうか。製パン機械メーカーにとってもさらなる企業努力を望むものであります。

9月にドイツのミュンヘンで開催されるiba 2018では欧州最大の製菓・製パン用最新マシーンと食材、関連資材が数多く展示されます。3000年にも及ぶパンの製法は20世紀に入ってから飛躍的に進歩を続けて今日があります。より安全・かつ安心、栄養のあるリーズナブルな価格のパンを供給する事は、私たち業界に携わる人間の“使命”でもあります。

9月18日に弊社企画のiba2018研修旅行はミュンヘンに向けて出発します。上質のインプットから最上質のアウトプットへとつなげる感性を身につける日々となれば、参加者の皆さんそれぞれの使命は必ずや達成される事でしょう。


明るく陽気にいきましょう

帰路、ふだん歩き慣れている自宅へと続く坂道が、時には辛く感じる日もあります。炎天下、雨の日、気分が滅入っている時。日常では誰しもが感じる事だと思われますが、これが目的を持つと自宅へ続くダラダラした坂も、博物館や楽しみなレストランへ通じる坂道も、一向に苦にならないのはどうしてでしょうか? 私の場合、目標や目的があると、なぜか全ての坂道が“なだらか”になってしまうのです。というよりも、気持ちが傾きを直してくれているのでしょうね。

この現象を人生に例えてみます。「目的を持った人生は意味のあるもの」になりますよね。何か一つでも目的を持てば、明るい将来がひらけてくるのですから。ところが現実では、こういう目的事が成就するのは稀な事でしょう。目的達成に向けて歩み続けるのか諦めるのか、それは人それぞれ。歩みの途中に別の新たな目的が見えてくる事もあるでしょう。

家を買う、クルマを買う、高級時計やブランドバッグを買う。このような物欲を果たす目的もありますが、私は「人生の目的」について考えてみました(尊大なテーマですみません)。尊大と言えば、人望も実力も実績もないのに棚ボタで役職に就き、千載一遇のチャンスとばかりにその座にしがみついてテコでも動かない人、いますよね? 私、知ってます。まあ、こんな人の“人生の目的”って、「しがみつく」ことぐらいなのかな。でも、こういう人って一緒にいると学ぶ事が多々あります。そう、「反面教師」ですね。

些か脱線しました。
さて、人生の目的とは? 所謂「いかにして生きるか」という事なのですが、人との交友を深め、人に隠れた慈善を行い、かつ食欲も物欲もこなす。あれ? これって、かなり成功している人生って事ですよね。
まあ、私の人生の目的とはこの程度の事でしかありません。私の大好きな“お笑い界のゆるキャラ珍獣”と呼ばれるウクレレ漫談の「ぴろき」さんのフレーズ「明るく陽気にいきましょう」このフレーズ、好きです! 人生かくあるべしですね。

度重なる西日本の水害、そして震度7という未曾有の大震災に遭遇された北海道民の皆様が一日も早く平穏な日常に戻られますようにお祈り申し上げます。



弊社社長 菅田耕司のコラム


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