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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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安全・安心の証

中国・湖北省の武漢市で昨年12月以降に発生した新型コロナウイルスはその後も続々と発症者が現れ、ついには死者を出し、わずか30日後には世界中のいたる国々で罹患者が発見されています。

このコラムを書いている2月5日の昼時点で中国政府は感染者24,324名・死亡者490名と発表、習近平国家主席が初期対応の不手際を世界に向けて謝罪する異例の映像がメディアを通じて発信されました。

同ウイルスが世界に蔓延し、中国本土と米国を結ぶ飛行便は全てキャンセルという処置に至るまでの判断は遅きに失した感が否めませんが、世界のほとんどの国が “差別” ではなく感染を防ぐ手段として適正な判断であると共鳴、協調しているのが現状です。このような的確な方策やワクチンの開発・供給により一刻も早い同ウイルスの終息を祈ってやみません。2020年オリパラはマスクの不要な大会としたいものです。

こうした不測の事態に対する、製パン業界の動きはどうでしょうか。山崎製パンでは1975年より細菌関連の食品衛生管理体制を整備し万全な体制を敷き、製パン業界を牽引する形でさまざまなノウハウの蓄積やルールづくりに努め、ひいては業界一致の動きとなりました。その甲斐あってクレーム等の発生は限りなくゼロに抑えられ、万が一の事態においても安心・安全に対する構えは製パン企業ならびに関連企業、そして行政との迅速な連携に至るまで浸透しています。今般の新型ウイルスと比較する気はありませんが、問題意識を共有して解決に向かう姿勢が問われていると感じます。

神の存在を信じる人、そうでない人を問わず何事おいても、ましてや難題を抱えているのであれば、己の信じる道を確信をもって進み、実行実践しなければ結果は残せない、と私は思います。安心・安全を構築する体制を、WHOを通して一刻も早く確立できる事を願ってやみません。


漢(おとこ)の引き時

リョーユーパングループの北村会長は、大相撲・立浪部屋の毎九州場所で自社が所有する糸満市の野球場に隣接する宿舎をはじめ、土俵と豊富な食材を提供されています。そんな間柄ですから私が場所中に訪福する時も立浪親方や関取衆、若者、呼び出しから床山さんまで、北村会長のご紹介で部屋ぐるみの付き合いとなる訳です。

そんな縁がきっかけで、10年ほど前から毎場所、時間の許す限りTV桟敷で観戦し、時には国技館で応援する機会にも恵まれて益荒男(ますらお)たちの力と技を体感しています。昨年は偶然、トランプ米大統領・安倍総理の両ご夫妻が来館された日に観戦し、2階椅子席の最前列から御一行を拝見できたことは一生の良き思い出となりました。

先月の九州場所は両横綱が欠場、立浪部屋の部屋頭である前頭五枚目の明生関も7日目から休場するという波乱の春場所となりました。結果は前頭十七枚目の徳勝龍関が20年ぶりの “幕尻優勝” で千秋楽を締めましたが、私にとって  “この大一番” だったのは、第41代立行司、式守伊之助が土俵上で軍配を返して「この一番をもちまして千秋楽でござりまする」との口上で始まる結びの一番の一つ前、豪栄道関と阿武咲関の取組です。

東西から2人の力士が土俵に上がった時、胸が熱くなりました。向こう正面に審判として座し土俵を見つめる、豪栄道関の師匠である境川親方の姿をTVカメラはアップで捉えます。眼鏡の奥にはキラリと光る涙が見られました。「あっ、もしかして?」

結果は豪栄道関は土俵際に押し倒されて黒星。カド番を5勝10敗と負け越しで終えたことで大関陥落は決定しています。次回の大阪場所で10勝すれば大関復帰となるのですが……。花道を引き上げる豪栄道関の背中には土俵の砂がべっとりと貼りついていて、一抹の寂しさを誘います。

翌日、「大関・豪栄道が引退」とTVやネットで速報されました。地元・大阪場所での返り咲きはなくなりました。取組前に見た境川親方の涙は引退の覚悟をすでに知らされていて、最後の取組に土俵で塩をまく姿から大関の壮絶な相撲人生が走馬灯の如く親方の脳裏に浮かんでいたのかもしれません。

潔く身を引く “漢” の美学は、こうして全うされました。来場所からは武隈親方として後進の指導にあたるそうですが、美しく男らしい相撲道を受け継ぐ弟子たちは幸せです。感動をありがとう!


ペアリング

レストランでのオーダー時に、
一度は言ってみたいフレーズがあります。

「ワインはペアリングでお願いします」

しかーし、このひと言がなかなか言えません! 結局、本日のおすすめグラスワインを注文してしまう自分が情けない。皆さんはいかがでしょう? 料理メニューとワインリスト、どちらから目を通しますか? 普通なら料理メニューですよね。コース料理かアラカルトかを迷うのは、優柔不断な私にとっても実は至福の時なのです。しかし、さらに深い迷いと葛藤が重なるワイン選びに関しては至福とは言い難い。少々の苦痛すら伴う、困った時間なのです。

ちなみに「好みのワイン」は決まっています。しかし、ほとんどのレストランに置いていないことが分かっていますから、無理にオーダーして “なんだ、通ぶった客だな” などと見られるかもしれないなどと逡巡し、おすすめのグラスワインに落ち着いてしまうのです。そんな調子ですから、スマートに「ワインはペアリングで」というのが憧れです。

こうした杞憂とは無縁の名店が、高円寺のうどん料理店「さぬきや」。料理に合わせて日本酒をペアリングしてくれます。店主みずからの料理とお酒のワンポイント解説を添えてくれるのもいいですね。ですから本日のコース料理とだけオーダーすれば、全ておまかせ。どんな料理が出てくるのか、お酒と合わせるのかを存分に楽しませてくれます。「この料理には○○の酒をぬる燗でお召し上がりください」とか、チーズにどぶろく等を合わせる見事なマリアージュなど流石の一言。4年連続でミシュランのビブグルマンに掲載されるだけの事はあるなぁ~と笑顔になってしまいます。

NOBU東京では年に数回、酒造メーカーとのコラボによる特別ディナーが供されます。日本酒は㈱北雪酒造さんのお酒とのペアリングで、ワインなら勝沼醸造㈱さんの赤・白・スパークリングを料理に合わせて楽しませてくれます。いずれも酒造・ワインメーカーのオーナーが来店、NOBUさんと一緒に説明し、全テーブルを挨拶して回ります。先日の “北雪DAY” で頂いた大吟醸の発泡酒をオレンジジュースで割った「和風ミモザ」、あれはおいしかったなぁーと家内と時折思い出しては、次回の開催を心待ちにしています。

さて、パンもペアリングで提供できないものでしょうか?「この料理にはこちらのバゲットを」とか、「この赤には、こちらのライ麦パンが味を引き立てます」という感じで一皿、一杯をより楽しませてくれる工夫があったらいいな! と思います。「パンとワインはペアリングでお願いします」と言える日が近い将来、実現すればいいですね。

※ちなみに私の好きなワインは、モエ・ヘネシー社が取り扱っている、カリフォルニア州ナパヴァレーの「ニュートン」です。中でもフィルターを通していないアンフィルタードが最高です。白はシャルドネ、赤はメルローがおすすめですが、重めが好みならカベルネもおいしいですよ。シャンパンは皆さんおなじみのヴーヴ・クリコです。

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関取はパンが好き

歳を重ねると、目や耳・歯などにガタが来るのはもちろん、物忘れなど脳の退化も避けて通れません。しかも私の場合、頚椎の手術と脊椎狭窄の術後経過が芳しくない上に、胃がんによる全摘出、さらには食道がん手術とくれば「風邪ひとつ引かない、病気知らずの不死身の男です!」と豪語していた頃が嘘のようです。

60代前半まで文句なしの健康体で文字通りこの世の春を謳歌していたのが、ここ6年間で状況は一変しました。今は私をとりまく皆様のあたたかいお気遣いをもって穏やかな日々を過ごしております事、誠に感謝であります。つけっぱなしのテレビから流れてくる、若かりし頃の堺正章さんが唄う「♪あのとき君は 若かった」という懐かしいフレーズにも思わず頷いてしまいます。

体の衰えが次々と表れる一方、鼻(嗅覚)だけはなぜか衰える事なく以前にも増して利くようで、食べ物や花に限らず人間関係を左右する「人となり」なども正確に嗅ぎ分けできていると、最近少し自信がついてきました。まあ家内に自慢する程度で人様に講釈を垂れるようなものではありません。ともあれ、いつ何時どんな場所でも人間ウォッチングは楽しいもの。長年の習慣の賜物といったところでしょうか

話を「鼻」に戻しましょう。私はご飯が炊けた時の匂いと、食パンをトーストして焼き上がる寸前の匂いが大好きです。ご飯は炊き上がりを知らせる炊飯器のアラームが鳴るや、すぐにしゃもじでご飯を茶碗にとり、両手で炊きたてのご飯を丸めるように茶碗を振っておむすびにします。塩をあてて焼海苔でくるんだら、出来たてをすぐに頬張ります。パリパリの海苔、程良い塩加減のおむすびに具材は必要ありません。

食パンは6枚切りがいいですね。トースターがガチャンと音を立てて跳ね上がり、キツネ色に焼けたところを何もつけずに香りをおかずにシャキ、バリッ、サクッと音も楽しみながら食べる。米とパン、いずれにせよ食事はシンプルが一番! もちろんソースに工夫を凝らす手の込んだフランス料理や贅を極める中華料理なども全ておいしくいただけるのですが、好きな時、お腹が空いたなと思い立ったら気軽につくれる炊きたてのご飯と焼き立てのトーストにはかないません! 文句なく私のグルメ番付における、東西の大横綱であります。

相撲といえば、初場所が始まりました。私の友人である立浪親方率いる立浪部屋からは、部屋頭の明星関をはじめ十両に天空海関、豊昇龍関と3人の関取が連日熱戦を繰り広げており、TV桟敷で楽しんでおります。彼らと先日食事をした時、「チャンコにご飯も良いけど、パンが一番好き」と3人が口を揃えていました。九州場所ではリョーユーパングループの北村会長が九州の後援会長をされていることもあり、場所中は稽古場と宿泊先に様々な食材と大量のパンが差し入れで届きます。さしづめチャンコがスープで主食はパンという感覚なのかもしれません。時代を感じますね。

 ***

天空海関・豊昇龍関 勝ち越しおめでとうございます!
無念の途中休場、明生関の快気と来場所の奮起に期待!


弊社社長 菅田耕司のコラム


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