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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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コロナ太り

3月から6ヵ月間、
私は東京都から一歩も外へは出ていません。

政府が拙速に始めたGoToキャンペーンも都民は梯子を外されました。別に割引が欲しくて文句を言っているのではありませんが、謹慎蟄居の新しい生活スタイルが馴染んでしまったか、身体が鈍ってしまって、世に言う “コロナ太り” は身に染みますね。実際、3kgも脂肪がついてしまいました。

怠けた身体をエクササイズで引き締めるべく、あらゆる設備が整っている私が入会している会員制クラブへ行きたいのですが、ジムとプールは予約制で1週間先の予約を取るのがやっと。しかも利用時間の指定も希望通りにはいきません。ボーリング場、ラケットボール室、バスケットコートはすべて閉鎖が続いています。唯一予約なしで利用できるのはスチームバスとドライサウナ、ジャグジー。天気の良い日はプールサイドのバーでホットドックを楽しめますが、ストレス発散のエクササイズは身近なところで行います。炎天下を避けて自宅マンションの内廊下を、両手で2本のストックを使用するウォーキングです。1周66歩を30周歩けば約2,000歩、午前・午後の2回で4,000歩。ストックを使うと背筋が伸びて、少し大股でウォーキングしても安定します。脊椎狭窄で2年前に3本のボルトを入れた腰の痛みもさほど感じられず、程よい有酸素運動になります。しかし無情にも、そう簡単に体重は減ってくれません。

先日、胃と食道の癌を摘出した有明がん研究病院へ定期検診で出かけました。内視鏡とCT撮影をした後、私の主治医である佐野院長が「菅田さん、少し太りました?」とニヤリと笑って私の顔を見つめます。日頃の生活様式を話しながら、しばし海外旅行で訪れたレストラン遍歴等の雑談でリラックスさせてくれます。

「とはいえ私も、普段なら学会で飛び回っていますが、今年は海外どころか国内の移動も叶いませんよ」

と院長。優しい笑顔ながらも眼鏡越しのまなざしがどことなく寂しげで “お疲れなのかなぁ” と感じました。平時にもまして医療従事者の激務ぶりは言うに及ばず、ましてや大病院の責任者である院長の奔走ぶりは計り知れません。そんな素振りを見せない笑顔で「菅田さん、転移は見当たりません。半年後の来年3月に次の検診でお会いしましょう」と検診は終了しました。帰路の車窓から豊洲市場に出入りする車輌と交通整理員が振る赤い誘導棒の先には、来年を待つオリンピック施設のドーム、勝鬨橋の周辺に林立する巨大タワーマンション群。見た目には何も変わらない日常があります。築地場外の門跡通りを歩く買い物客は以前と比べれば少ないですが、こちらも普段どおりの日常風、銀座も皇居も。唯一、マスクランナーの姿が少々目を引きますが。

今日は久しぶりに日本橋三越の地下食品売り場で柿の葉寿司とカマンベールにベーグルを買って帰ろう。ディナーはニュートン・アンフィールデッドのシャルドネで家内と乾杯!
(これだから太るんです……)

肝に銘じて

オゾン層破壊による地球温暖化は世界各地で甚大な被害を起こし、発展途上国などでは衛生面から発生する各種伝染病など、新型コロナウイルス以上の危機的状況にあります。しかしこれは我々人類みずからが招いた、紛れもない現実なのです。

弊社を創業した父の後を継いで、毎年製パン関連各社に呼びかけて開催してきた海外研修は父が残した大事な企画です。コロナ禍の今年を除いて毎年、知識向上と革新を求め世界各地で研修旅行を行ってきました。延べ参加者数は父の代も含めると1,000人を超えます。多くの方々と共に日々変化する世界の製パンおよび関連施設を訪問して研鑽を重ねてきました。

さらに2008年より「カーボンオフセット」に貢献する試みも始めました。研修旅行によって排出されるCO2量を概算し、それに見合う金額を訪問地の植樹活動や環境団体や緑の基金への寄附を行い、地球温暖化の抑止にささやかながら協力を続けております。

ノーベル平和賞を受賞したケニア共和国のマータイ環境大臣とお会いして感銘を受けたのもその前後だと記憶します。マータイさんはエコロジー啓蒙の心構えを「MOTTAINAI(もったいない)」と日本語で発信し広めた方です。

駐日ケニア共和国特命全権大使であるアオリ氏の自宅にてマータイさんとのディナーに招かれ、いろいろなお話をうかがえた事は私の人生を変えた記念日だったかもしれません。ケニアはエネルギー資源不足のため水道・ガス・電話などインフラ整備が進んでいません。特に地方では環境保全の概念が浸透しづらい状況ゆえ長年にわたる無計画な森林伐採、そして焼き畑による火災被害が多発していました。そこで立ち上がったのがマータイさんです。

それまでは主要都市のエネルギー確保で手一杯、地方は惨憺たる有様でしたが、持続可能な植樹活動で森林再生に貢献するマータイ基金の設立は大いなる一助となりました。彼女が亡くなられた今でも世界各国から寄せられる寄付金は、植林や上総掘り(日本古来の工法による井戸づくり)といったさまざまな保全活動に充てられています。

現状の経済最優先を続けるのか、子どもや孫、後々の世代に未来を託すために地球環境の整備に舵を切るのか。いずれにせよ課題は山積しており、世界のリーダー達の協調が求められています。そう、未来は目先の損得勘定ではなく、健全に創造していくのだ、という事を肝に銘じて。

何かをやろう、今がその時だ

コロナ禍による外出自粛で巣ごもり生活を余儀なくされる中、新たな方向性を示す食シーンの変化がTV等メディアを通して紹介されています。毎日の食事を楽しめる、食品メーカーの仕掛けが面白いですね。モスバーガーとUHA味覚糖のコラボレーションによる新商品「つむモスグミ」は世界唯一ともいえるハンバーガー風菓子です。バンズやパテ、レタスを模した小さく平らなグミを “積む” ことでバーガーを完成させる遊び心で私も楽しくおいしくいただいています。

レトルト食品や冷凍食品は最近ではバラエティーに富むだけでなく味のクオリティーの高さに驚かされます。リーズナブルな価格設定も消費者の財布の紐を緩ませます。
“粉もん” の善戦も光ります。私も昨夜は家内とお好み焼きを楽しみました。
そして調味料では日本製粉の「ニップン ほめDELI アヒージョの素」が出色です。食材はぶつ切りにしたゆでタコと大ぶりにカットしたマッシュルームだけ。最高のイタリアンがフライパンひとつで完成です。家内のワインが進みます!

外食はこんな状況ですから密になる店内利用は避けていますが、テイクアウトはたまに車で買いに行きます。情報バラエティ番組で紹介された韓国発「進化系玉子サンド」で口火を切ったかのように、カスタードクリームのようなふわトロ玉子のサンドイッチや半熟玉子4個が入ったサンドイッチなどインスタ映えする斬新なアイデアが次々と流行しています。料理研究家が数々のサンドイッチレシピを番組やSNS上で披露し、それをタレントさんが食レポする。そんなよくある企画も、製パン業界にとっては格好の宣伝となります。

そこで主役となるパンは、ロングセラーブランドの食パンが見直されているようです。いわゆるプチ贅沢な食パンを使用したサンドイッチですね! 話題性重視の高級食パン専門店は急速に加熱したブームゆえ、飽和からの衰退という流れを懸念してしまいます(ブームを仕掛けているベーカリーコーディネーターさん達は高額な報酬を得ているようですが)

一方で、ロングセラーブランドの食パンを食卓に提供している大手製パンも再活性の道を模索しなければなりません。

Do Something, Today is the Day !
“何かをやろう、今がその時だ”         
この精神を心がけたいものです。

健康素材でヘルシー感を前面に押し出すなど、各メーカーが長年培ってきた商品開発(技術力や企画力)でのさまざまな差別化が重要であり、決して安易な価格競争ではないはずです。

やはり食の楽しみは「提案力」あってこそではないでしょうか。バゲットは翌日そのまま食べると味も食感も劣化しますが、水を霧吹きしてオーブンでリベイクするといったごく初歩的な知識でさえ今の消費者は理解しておらず、つまりはメーがー側が提案できていないのです。それを知ることは消費者にとって食生活を変える “感動” になります。スーパーで買える袋入りのバゲットは冷凍してもリベイクすればリテイルの味に迫ります。リテイルのバゲットをリベイクすれば、パリのベーカリーの焼き立てバゲットが味わえます!

神の教え

東京は連日の猛暑日。
エアコン24時間稼働で快適な住環境を保っていますが、南と西側は総ガラス張りゆえ容赦ない日差しで日中もカーテンは閉めたまま。14階からの眺望は夜景しか見る気になれません。夕方になると低空飛行する旅客機のジェット音が轟きます。新たな生活様式が日常になりつつありますが、飛び去る姿を見上げるばかりで、大好きな旅行ができていないことを改めて実感します。

気分転換とばかりに普段めったに開けない納戸を整理していると、私が以前書きためたメモが整理される事もなく無造作に詰め込まれたアタッシェケースを発見。内容は書きかけの小説や少々恥ずかしいのですが恋文も出てきました。その中に、1つだけクリアファイルに入っている3枚の紙に注目すると、それは13年前のメモ書きでした。さながらタイムカプセルを見る気分です。

クリアファイルの中身は、ハチャメチャな日々を過ごしていた(と思われる?)頃の私に、マンツーマンで1時間、「クリスチャンとしての生き方」を尊敬する方から説教していただいた時に書き留めたメモでした!

日本パン菓新聞社の使命を明確にし、日々の事をハッキリさせる。社長としての基本方針を出し、実践実行して結果を得るまで貫く覚悟が必要で、会社の使命を明確にする事が重要です。その使命とは何か、読者の求めるものは何かを考え、会社の行く末を考えるのです。真珠のように尊いものが使命であり、その使命を明確にして頑張るのです。教会では教えを聞いて、社会では実践実行する。言葉があっても “信じる” という事がなければ人は動かない。いつ何時でも、電気のスイッチを入れるが如く、迷いなく自然に、真摯に祈れば答えが返ってくる。祈る事は神の教えの言葉とともに働く力、それが神の霊。これは神の目にも見えない力であり、神の言葉である。だから君、感情的、自己中心に動いてはならないよ。
 
13年前にいただいた教えは、現在も月1回、バイブルスタディという場で教会の礼拝前のひとときに多くの方々と一緒に聞いています。

感情にまかせ、自分本位に生活していた13年前と現在を比べれば、少しは丸くなった気がします。何かとストレスの多いコロナ禍での新たな生活様式にあっても、心穏やかに過ごせている事は確かです。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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