コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
速報製パン情報の定期購読お申し込みはこちらからどうぞ。

恵みの秋

 私は団塊の世代と云われる昭和二十二年生まれだが、幼少の頃を思い起こせば、井戸水で冷やしておいた西瓜を縁側で頬ばる横で母がうちわであおいでくれたひと時が鮮やかに甦る。蚊帳の中の布団には、糊の利いた真っ白な綿の敷布と夏がけの布団。昔はこうやって涼をとっていたものだ。それにしても今年の夏は異常に暑い日が続いている。エアコン無しの生活は考えられないが、これが逆効果となりフロンガスで地球の周りのオゾン層が破壊され、火力発電で二酸化炭素が増加し、地球温暖化の一因となっているのは皮肉だ。
 しかし日本は豊かな四季に恵まれて、それぞれの季節には天の恵みともいえる旬の食材が溢れている。暑い夏が過ぎれば恵みの秋がやって来る。海では秋刀魚・戻り鰹・秋鮭が、山では新米・新酒・新蕎麦・柿・松茸などが旬を迎える。そんな美味しい季節を前に日本のパン屋さんは旬の食材を使用した、新製品の試作を繰り返している。各社しのぎを削って今秋も消費者を楽しませてくれることでしょう。

トリビアの泉

 「エー、とにかく何でも度のわからないもの、数の知れないものは日本では八の数でとどめようとしているようでありますな。国会議員先生の嘘八百に発しまして、将軍様の石高を八百万石、江戸の町は八百八町、いちいち数えていられない、とにかくいっぱいあるんだというときにゃ八を使うわけでありましてな」。出張の時、飛行機のイヤホンから流れてきた落語の「夢金」のマクラである。
バーゲンの値付けもよくいわれるイチキュッパ・一九八〇円、サンキュッパ・三九八〇円と最後に八の字がつくのも不思議だ。スーパーではよく値引きの対象とされる卵、食パン、牛乳はシロ三品と言われて、九八円、八八円と必ずといっていいほど最後は八の字だ。それにしても、とにかくいっぱい安いのがあるよ、という意味なのかなあ。かと言って食パンの八八円セールにはこまったもので流通さんにはシロ三品から主食である食パンを早く除外してもらいたいものだ。
 それでは八にまつわる事を最後に少々。大八州国(おおやしまのくに)、八岐大蛇(やまたのおろち)、八十八の米寿の祝い、ほととぎすの八千八声、仏法に八大地獄、吉原の土手八丁、ひとり娘に婿八人、狸のナニナニ八畳敷。ちなみに辞書で「八」の字を調べたところ、「名詞の上につけると数量が多いことを示す」とありました。ヘー。

次なる侍

 孫子の兵法に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とある。戦国時代の日本の名将織田信長は九九戦〝危うからず〟であった。信長は村上水軍と最後の決戦をすべく、当時世界でも例の無い巨大鉄製の船を作り、勝利したのはあまりにも有名だ。先日のNHK番組「その時歴史が動いた」の映像を見て感心したものだが、さすがの信長も百戦目にして家来の明智光秀の心を読みきれず、本能寺でその生涯を閉じた。
 現代では、信長のように常識にとらわれずに思いもかけない発想をしてそれを実行する〝侍〟は、IT関連業界に数多く見られる。
 パン業界はというと過去には、現・岡山木村屋の梶谷博則社長がダイエーにP・Bで卸したアサヒブレッド。山崎製パンの飯島藤十郎社主が武蔵野工場に導入した大型連続製パンライン。当時はいずれも業界があっと驚いた。
 パンの消費が低迷している今、現代の〝侍〟はメゾン・カイザーの木村周一郎氏だろう。創業五年で日本有数の名店を創り上げた力量ははかり知れず、消費者に本格的なパンの楽しみ方を教えてくれた。次なる〝侍〟となるのは誰だろう。早くデビューして我々をあっといわせてほしいものだ。

パイロット・キッチン

 移転した新宿の全パンビル四階にベーカリーのためのパイロット・キッチンを併設し、先週の金曜日、愛工舎製作所の技術スタッフ伊藤雅大講師を招いて、弊社の取材記者のための製パン実技講習を行った。
 2㎏の材料をレディシェフのミキサーでミキシングしてドウを作り、発酵・成形してレディベイクのオーブンで焼き上げる(ミキサーとオーブンは愛工舎製作所提供)。田中食品興業所からサンプルで送られてきたメイプル味のジューシーシートとクラシックチョコシートを使用して作られたパンがオーブンから取り出されると初めてスクラッチでパンを焼き上げた記者達から歓声と拍手が沸き起こった。同じく田中食品の「ビーフと香りのこだわりカレー」を使用した〝焼きカレーパン〟には白ゴマをトッピング。いずれも焼き立てをフウフウいいながら試食する。焼き立てパンが美味しいのは当たり前、しかも自分で作ればなおさらだろう。
 他にレーズンブレッドとシンプルな食パンを焼き、最後にサンフレッセよりサンプル提供していただいた、成形冷凍生地の夕張キングメロンパンを解凍し焼成したのだが、さすがサンフレッセの冷生地は評判通り高級感が溢れ、生地にも中のクリームにも夕張キングメロンの果汁がたっぷり入って焼き上がりも満点の出来で、記者たちを驚かせた。
 今後は記者の目から見た新製品の提案や各社の冷凍生地の紹介など日本パン菓子新聞紙面にて取り上げる予定だ。優秀な講師を招き十人位までのセミナーも可能なので勉強熱心なベーカリーは是非当パイロットキッチンを利用してもらいたい。

弊社社長 菅田耕司のコラム


記事を検索
カレンダー
07 | 2005/08 | 09
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
月別アーカイブ
RSSリンクの表示
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

管理者用