コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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老舗の看板

 環境変化に対応できなければ企業は存続できない。この十年の間にパン屋さんは随分廃業に追い込まれた。三年に一度出版している弊社の「パン業界名鑑」を編集するつど、その実感が増す。
 二代目や三代目がその店を継ぐ意思が無く、また店主も現状に甘んじる。大手ホールセーラーでも「販売店会」が縮小されたり、雲散霧消で今やその実態は遠い過去を思い起こさせる。スーパーが安売りするから売れないと嘆く。有名リテイルが近所に出店したので廃業を決断するなど、なんとも情けない話しがたくさんある。急激な市場の変化の中で新たな成長を見い出せないベーカリーは確かに廃業や転業を余儀なくされたのは事実である。特に「老舗」と呼ばれる店が多かった観がある。変化のスピードが激しい時代になる程老舗が廃業に追い込まれるというのは、古い企業ほどしがらみが多く、変革が難しいということなのか。この問題に正面から取り組んでいるのが「ダイユー」のようなコンサルティング業だ。次の収益の柱を確立するために、二世・三世の教育と、多店舗化やスーパー・ホールセーラーとの商品の差別化、そして極めつけは斬新な店舗デザインだ。一見何の変哲もない店舗なのだが、一歩中へ入るとあれもこれも買ってしまう。アットホームで活気のある商品構成と従業員の対応は購買意欲を刺激するのだろうか。「もはや老舗の看板は信用の代名詞ではなく、改革出来ない企業の代名詞なのかも」などと言われぬように新しい変革の道を自ら探すことにある。ダイユーのような企業を活用すれば、我が業界も新境地が望めそうだ。

ルイ・キャーンズ アラン・デュカス

 銀座のシャネルビル十階のレストラン「ベージュ東京」では、世界中の美食家たちに愛されているモナコのレストラン「ルイ・キャーンズ アラン・デュカス」のフランク・チェルッティシェフが初来日。期間限定で「ベージュ東京」のシェフであるダヴィッド・ブラン氏と共に地中海の豊かな食材をふんだんに使い、素材が持つ本来の味を活かしたシンプルかつ洗練された料理を提供する。期間は二月二〇日より二六日までの七日間で一一 : 〇〇~一四 : 三〇(ラストオーダー)のランチは二三日より二六日のみで一人一万五千円、一八 : 〇〇~二一: 三〇(ラストオーダー)のディナーは一人三万円(税・サービス料別)。
 「ルイ・キャーンズ アラン・デュカス」は一世紀以上もの間、時代と共に形を変えながら愛されてきたホテル「オテル・ド・パリ」内にあり、アラン・デュカス氏による一九八七年のオープン当初より伝統と贅沢さの両方を兼ね備えつつ、数々の輝かしい料理を創り出してきた。また料理だけでなく、洗練の極みとも言えるテーブルアートも魅力の一つ。もちろん料理に合わせたプチ・ブレッドは至高の極みだ。
 又この店は世界で最も予約の取りづらいレストランの一つとしても有名で、弊社のグルメツアーで三年前に二八名で訪れた際に一四名づつ二日に分けてテーブルを囲めたのは奇跡に等しいと私は振り返る。地下に眠る数十万本のワインセラーの中には、一本一万ユーロ(約一四五万円)もするロマネコンティが厳かに鎮座しており、週に一本は客席でその眠りから目覚めるという。セレブ御用達しでもあるこのレストランで、二年前家内と二人でフランク・チェルッティシェフの厨房に招かれ、「今日は何を食べたいか」との問いに「リゾット」と即答。メニューには無い「リゾット」をここで食したのは世界でも私達だけであろうと自負している。
予約電話 〇三・五一五九・五五〇〇 ベージュ・東京

神の手

 バンコックのスリウォン通りにある「キャック・レストラン」のふかひれスープは、いつ食べてもその味の深さに驚かされ、感動させられる。今回は国連大学に勤務する妻の友人の素敵なお嬢さんと一緒のディナーだったから格別だったのかもしれない。バンコックでは三時間だけのタイムリミットの中で、忙しい身にもかかわらず、ディナーとタイ式マッサージをご一緒させて頂いた。
 六〇分・二〇〇バーツ(日本円で約五六〇円)、スリウォンの「有馬温泉パート1」というふざけた名前のマッサージパーラー「一二六番」の番号札を付けた歳の頃は五〇前後の女性(何故か名前は聞いたことが無い)、私はこの一二六番にぞっこんなのだ。なにしろマーッサージ後の体の軽いこと軽いこと。強いけれども、イタキモというだろうか、連続技でツボを押しまくる「ア・イタタ、ア・イイヨ」てな塩梅でグッスリ眠ってなんかいられない。だが次の日も疲れは残らず、日本に帰って二週間位は疲れ知らずだ。その日はお嬢さんに一二六番を譲ったところ「たった六〇分で心身共にリフレッシュさせてくれる一二六番さんの手はまるで神の手だ」と褒めちぎった。そしてキャック・レストランのふかひれスープと締めのアワビご飯を食べた感想は「一口目で絶句、二口目で泣き、三口目からは覚えていない」と言わしめた。
 そんなおいしい料理の国の製パン事情は目を見張る程の発展ぶりで、一部のベーカリーの品質はすでに日本のレベルに達している観がある。タイ料理をアレンジした創作無国籍レストランのルヴァン入りバゲットは絶品で、キッチンの後ろにはメゾンカイザーの木村周一郎氏が隠れているのでは、という程である。今後もタイの新興レストランとパン業界の動向には目が離せない。

ベーカリーウォー

 先週タイへ行ってきた。最初の三日間は美しいリゾート「サムイ島」で過ごし、一昨年オープンしたばかりの「サンティブリ・ゴルフリゾート」で二ラウンドのプレイをした。オープン時はフェアウェイの芝生もまばらで、グリーンには砂がまかれて日本の河川敷のコースのほうがまだましといった具合だったが、一年も経つとこうも違うのかと驚かされた。絨毯のような緑のフェアウェイも両サイドにはハワイ・マウイ島のベンツオープンが毎年開催される「プランテーションゴルフコース」にも匹敵する長いラフがグリーンまで続く。海から吹き上げる強風とグリーン周りのラフは刈り込められて二段グリーンの下にオンしたボールは容赦なく池まで転がり落ちる。しかも高速グリーンでアップダウンに加えてスネークというコースだ。タイガーウッズもここでトーナメントが開催されれば、アンダーパーでのラウンドは難しいだろう。
 サムイ島でリフレッシュした後、バンコックを訪れた。今回はプレジデントベーカリーと和歌山のカワベーカリーがコラボレーションする細かな調整の立会いだ。タイ国内のベーカリーですでに六八%を超えるシェアを誇る同社はホールセール事業に合わせてリテイル展開に力を入れるため「カワスタイル」を受け入れた。バンコック市内の繁華街サイアムの東急デパート五階のフードコートの一角に約一〇〇㎡の一号店を五月五日にオープンする予定だ。近くには東洋一の売場面積を誇る高級デパート「サイアム・パラゴン」が昨年十二月六日にオープンして話題を提供しているが、一階にはインストアベーカリーでは人気ナンバーワンのタイ・ヤマザキの「サン・エトワール」が出店している。バンコック市内ではシンガポールや台湾などからの出店攻勢もめざましい。タイのセブン・イレブンではリトル・マーメイドの冷生地のノウハウを取り入れるなど、今やタイ王国は「パン戦争」の真只中にある。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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