コラム 三寒四温

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懐古作戦

 あなたは天ぷらに何をつけてたべますか?
  塩、天つゆ、レモン汁、ウスターまたは中濃ソース、醤油?選択肢はたくさんあります。たいていのものは試してみましたが、上記の例えでは「ゲロゲロ、ナ、ナンダこのミスマッチは!」と感じるものはなく、それぞれの特徴が口の中で融合して「いい感じ」と思うのは私だけなのでしょうか。トンカツは醤油派ですか、それともトンカツソース派?マヨネーズやケチャップ、タルタルソース。そういえばタルタルソースをトンカツにつけて食べるのはあまり聞かないけど、カキフライやアジフライでは躊躇なくつけて食べますね。同じフライなのに妙なものです。
  以前、この欄で取り上げたTV番組「秘密のケンミンSHOW」では、各地方によって同じ食材でも「こんな食べ方があるんだー」と感心させられる習慣がありますね。
  魚の王様、キンキを水煮してウスターソースで食べる北海道の漁師料理。山崎製パンのおはぎ3色セットは、関東ではあんこ、きなこ、ゴマが入っていますが、関西ではゴマに代わって青海苔となっており、顧客のニーズが変わっているのです。私は天ぷらは醤油が一番、トンカツはトンカツソース、おはぎはゴマも青海苔も、どちらも好きです。ただし、キンキにウスターは抵抗がありましたね。でも、一度試してみましたが、なかなかの味だったのに驚きました。キンキの脂が適度にソースをはじいて〝いい感じ〟のあんばいになるのです。
  食べ方の好みは生まれた環境にあるのは間違いありません。私が子供のころ、〝天つゆ〟なんてあったんでしょうか。あったとしてもそんな家庭環境ではなかったみたいです。これが我が家の〝食育〟であったのなら、私は母に感謝です。押し付けではない楽しくおいしい食事のあり方、ここに食品メーカーの企業発展の要となる〝カギ〝が隠されているのかもしれません。ピーター・ドラッカーさんも言っています。「企業発展の唯一の方法は顧客を増やすことだ」と。自分が育った懐かしい味を思い出してみませんか。懐古作戦です。お客さん、増えますよ。

スッポン

 30年程前に、小学館から刊行された調理本「男の料理」。タイトルにつられて買い求めたこの本を現在でも私は料理のバイブルとして大事に使わせていただいています。当時は、この「男の料理」の中にあるほとんどの料理を作ってはみたものの、「はたして、この味で良いものか?」と試行錯誤する内に「調理」は体全体で覚えるものだと悟ったのが前回予告した〝スッポン料理〟であります。納得のいかない出来ばえに、当時は小学生の娘と2人して1カ月に5回ぐらいスッポンと格闘したものです。
  なにせ「男の料理」ですから小さじ何杯、スープ適量、としか書いてなく、「ここで醤油と酒を注いで火を弱めてからザラメを入れてふきこぼれさせないように注意する」てな、あんばいですから大変です。本の中盤に見ひらきで書かれているレシピと調理の手順の写真には、当時の料理の勲章であるスッポンの血がこびりついております。スッポンの甲羅を私が左手で押さえつけ、娘が手拭いをスッポンにかませ、引っ張る、首が長く出てくる、私が右手で出羽包丁を振り下ろす、娘が後に倒れ、天井と壁、床、そして本に血が飛び散る、私は冷静に用意しておいたコップの中に首から滴り落ちる血を、首を縛ってためる。と、まぁ、スッポン料理の一番最初の儀式は首を切られても、なお、手拭いにかみついているスッポンの首を持つ娘が「もう、やだぁ」と怒り、顔についた血を、首のついたその手拭いで拭っているというオカルトの世界から始まるのです。そして、すぐさま甲羅を外して刺身用の身も削いでから小さなピクピク動く心臓を血の入ったコップに入れ、一気に飲み干すのです。スッポン鍋をいただく前にある過程がスッポン料理の醍醐味ではないでしょうか?わさび醤油でいただくスッポンの刺身と心臓入りの血は精気をみなぎらせますよね。そして、お決まりのスッポン鍋となるわけなんです。当時の我が家の土鍋はスッポン専用でして決して水洗いはせずに、軽くふいて天火干し、5~6回それを繰り返すと水と炊いた米を入れて火にかけるだけでスッポン雑炊らしきものが味わえたから不思議です。それだけ濃いスープのエキスが土鍋に染み込んでいるのでしょうね。

播州室津の牡蠣

 〝フレッシュ・オイスター〟奥が深いですね。産地で形も味も、これ程に違うものかと驚かされます。
  先月に訪れたニューヨークやニューオリンズでも私の好物のリブアイ・ステーキとフレッシュ・オイスターを存分に味わってきましたが、帰国してからも最近では、毎週取り付かれたかのようにリブアイとオイスターを食べ歩いています。赤坂の裏路地に白いネオンのオイスターバーで見つけた〝アイリッシュ・プレミアム〟、これはバランスよく、ふくよかな甘味が口の中に広がります。オーストラリアの〝コフィン・ベイ〟はグリコーゲンたっぷりの、そして後味に甘味をスーと感じさせる優れもの。店自慢の〝サングリア〟が合いますね。他に、あの有名な北海道は厚岸の牡蠣や、松島、広島、五島列島などおいしい牡蠣の産地は日本にもたくさんありますが、なんといっても私のおすすめは兵庫県たつの市御津町室津の「播州室津の牡蠣」でございます。なにしろ、プリップリでクリーミー、貝柱の甘味は特に強烈でいつまでもそのおいしさが口の中に残ります。シャンパンでもサングリアでも何でも合いますが、できればこの「播州室津の牡蠣」と運よくお目にかかれば奮発して高級なシャンパンで豪華にいただくことをおすすめします。(室津の牡蠣は11月下旬頃から市場に出回る予定だそうです。)
  牡蠣といえば、30年程前に想いは返ります。私の娘と2人で食べた帝国ホテルの「オイスター・―ロックフェラー風―」。いわゆる、牡蠣のオーブン焼きなんですが、食した2人はビックリしましたね。あまりのおいしさに。娘は当時、小学生だったのですが、「もう一度、家でも食べよう」とホテルの帰りに、青山の紀ノ国屋へ寄って、これはという食材を買い込んで2人して作ったものです。これが1回で見事に再現できたのだからたまりません。それからというものは2人して料理に目覚めてしまい、今日に至っております。特に娘の作るチーズたっぷりのクッキーや手作りサワーブレッドなどは、親ばかですが〝絶品〟です。孫娘は「毎日なのであきたー」と言っていますが。
  あぁ、思い出したら止まりません。小学生当時の娘と作ったスッポン料理を次号に紹介します。

ハミルトンズ・ステーキハウス

 18時30分に成田空港を定刻に出発したユナイテッド881便は、バンコクのスワンナプーム国際空港に23時05分タッチダウン。機内に持ち込んだリモアのバッグを転がしながら長い空港ロビーを入管まで進むと、意外にも行列はなく、すんなりとタクシーに乗ることができました。
  行き先のホテル名を告げ、漆黒の闇に染まった景色を眺めているとあまりにも寒い車内のエアコンに気付いて、「寒いからエアコンを切ってくれませんか」と運転手に話しかけると、無言で運転席の窓を開けてからしぶしぶという感じでエアコンを切りました。私もタイでは珍しいくらい涼しいことに気がついて窓を開けると、心地よい風が車内に舞い込みます。そして、そう、〝タイのニオイ〟が鼻腔をくすぐります。このニオイ、実際に現地で嗅いでみなくてはわからない独特のニオイです。ドブ川とナンプラーとゴミとフルーツのドリアンが一緒くたになった……、と、やはり説明はできませんので今度行ったときに感じて下さい。王室御用達で知られるデュシット・タニホテルにチェックイン。翌日は久々のプレジデントベーカリーのアプチャー社長とのインタビューです。あいにくの雨の中、迎えの車に乗り込んでしばし街を眺めていてもバンコクの活気が感じられます。ビニールシートで覆われた屋台がズラリと歩道を埋め、軒下のテーブルで雨をしのぎ朝食を楽しむ人々、渋滞の道路の目の前を三輪のトゥクトゥクがぎりぎりの車をかわしていきます。あちこちで鳴り響くクラクション。これがバンコクです。
  インタビューを終え、ホテルに戻り近所でマッサージを受けるのは、バンコクのひとつの楽しみです。2時間のタイ古式マッサージは400バーツ、約千円。毎日御世話になっています。身体もほぐれておなかも空いてきました。さて、今夜のディナーは……、もちろんステーキです。デュシット・タニホテル内のハミルトンズステーキハウスには王室のプリンセスたちがよくお見えになるとかで歴史を感じさせる写真が壁をたくさん飾ります。〝タイでステーキ〟。少し違和感を感じませんか? 実は私も以前はそうでした。しかし、ここハミルトンズハウスのステーキを一度食べたらキャックレストランのフカヒレスープと同じくらいまずはどちらを最初に食べようかと迷うほどのおいしさです。今度バンコクへ行かれたらぜひ立ち寄ってみてください。メニューはリブアイ。そしてレアでどうぞ。ディジョンマスタードも忘れずに。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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