コラム 三寒四温

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美しさを愛でる

毎年、3月から4月にかけて、日本列島を北上する桜前線の開花予報。この時期、私たち夫婦も臨時予報官よろしく近所の桜の大木を見上げて、「来週の前半かな」「いいえ、今週末かもしれないわ、ほら、あのつぼみ見て。プクプクして、少しピンクがのぞいているわ」家内の予報は見事的中して、それが三分咲き、五分咲きと、日を追ってアッという間に満開に咲き誇りました。こうして今年の桜は暫く私たちを楽しませてくれてから、花びらがあたかも雪が吹雪いているかのごとく風に舞い、やがて葉桜となり、初夏を迎えるのであります。
 10月に越してきた下高井戸の自宅兼事務所の庭には、驚くばかりの桜の大木がそびえ立っています。2011年も晩秋を迎え、師走に入りました。ナント、そこで私は、今まで知らなかった常識をこの桜の老木に教えてもらったのです。「桜は紅葉するんですね」いや、お恥ずかしい。
 2Fのキッチンの窓越しの席が私の書斎。深紅の葉や、黄金色の桜の紅葉がハラハラと眼の前を舞い降ります。なんて美しいのだろう。でも、もう数えるほどしか葉は枝にありません。その脇に大きく両手を広げたように、先月までは深緑の美しいモミジが、いつの間にか桜にかわって深紅にそまりました。桜にモミジが咲いたみたいです。えも言われぬ美しさはここにもありました。美しい自然は心が和みます。
 「美しさを愛でる」。すなわち、美しさを味わって感動する。感動こそ創造の原点です。これを私は2012年のキーワードに決めました。来年は愛でて、愛でて、すべてを愛でまくりましょう。きっと違った何かが見えてくるはずです。
 よいお年をお迎えください。

〝吉〟の踏切

カン・カン・カンと最初はけたたましく鳴り始めた踏切の警告音も、遮断機が降り始める頃には遠慮しがちにピアノの弱音ペダルを踏んだような小さな音に変わり、やがて左右交互にゆっくりと遮断機は降りきりました。踏切脇で電車の通過を待っていると、頭上に設置された町内会放送用のスピーカーからジングルベルが聞こえてきます。それが妙に警告音とマッチするから不思議です。なにか、リズムをとって「フンフンフン・フンフンフン」なんてメロデってしまいます。
 ここは京王線・下高井戸駅前の踏切です。隣には三軒茶屋まで行く可愛い世田谷線の始発駅で、2カ月前に引っ越してきた私の家の最寄駅でもあります。
 私の家内は、40年ほど前に、住友銀行下高井戸支店に配属されていたそうで、この踏切も街並みも、そして銀行も寿司屋も「昔のままね」と感慨深く、辺りを見回しながら愛犬と散歩を楽しんでいます。
 風を巻き起こしながら上下線の急行電車が通過して踏切が開きました。ミニスカートの女子高生たちが駅前で売っている焼きたてのメロンパンをかじりながらキャッキャッはしゃいで渡ります。出前カゴを下げた蕎麦屋のバイクは遠慮がちにヨロヨロ渡り、その脇を子供を後ろに乗せたママチャリが慣れたハンドルさばきで追い越します。なんで今日に限って踏切に愛着があるんだろうか? 線路の真ん中に立って先を見ると、自分の人生が見えそうになるんです。ぼんやりと陽炎のごとく、この先にある私の2012年、65歳になったら私には今度はどんな試練が待っているのでしょうか。親しくしていただいた内藤利邦さんとの余りにも早いお別れ、友人も知人も親戚も、櫛の歯が抜けるように親しい人たちが私の前から消えていった2011年。悲しい、淋しい人生の試練の年頃なんですね。ですから、2012年には私は友人をたくさん作ろうと思います。「人間万事塞翁が馬」という格言がありますが、人生はなるようにしかならず、ましてや運命の吉凶は予測できません。ですから私はこれからもたくさんの友人を作りたいと願うのです。
 来年は会社も私も65周年。多くの友人と共に祝い合えたら、嬉しいです。これからは〝凶〟の踏切は迂回して〝吉〟の踏切を渡るとしましょう。良き友と共に。

アッ! という間

 ニューヨーク・シティで、NO.1の人気ベーカリー、エイミーズ・ブレッドのエイミー・シャーバーさんによる弊社主催のセミナーは、スタッフの皆様に助けられ、ご協力を多大にいただき、実りの多いセミナーとなりました。本当に感謝です。延べ140名の受講者がエイミーさんの一挙手一投足に目を凝らし、聞き入り、さかんにメモをとって、しきりに頷いていました。店に帰ったら、きっとよいアイデアが浮かぶことでしょう。
 セミナー開催日の2日前にエイミーさん一家は日本にやって来ました。ハズバンドとご長男ハリーをホテルオークラ東京に残して、私と一緒に日清製粉加工技術センターに向かいます。この日は日曜日の夕方なのに、玄関前で待っていてくれた担当者に案内され、迷路のようなビル内を抜けて8階の会場へ着くと、すぐに持参したルバンから種を起こしました。次にスタッフは、エイミーさんよりニューヨークからメールのやりとりにて集められた山のような食材のチェックを行い、メニューの確認、工程表の見直し、配合の再計算など、さすがプロですね、「アッ!」という間にこなして、スタッフ全員とセミナーの成功を確信する拍手でこの日は解散です。
 構想1年、準備も1年。セミナーが終了した翌日は、日本人の料理人として世界にその名声が響き渡る松久信幸氏、通称NOBUさんと、エイミーさんのトーク・ディナーショーが神谷町のNOBU TOKYOで行われ、参加された120名の皆様より、お誉めの言葉を多数の方より頂きまして、スタッフと一緒にホッと胸をなぜおろした次第です。今年も早いもので2011年も師走に入りました。セミナーやトーク・ディナーの事もずいぶんと昔のような気分です。「アッ! という間」とは、こんな事なのかな。達成感があると時の経つのが早く感じられます。
 2011年の前夜祭は終わり、2012年は創業65周年の節目の本記念日となります。同じ業界で働く皆様と共に祝えたら、私たちは、この上ない果報者です。ですから私は2012年も張り切れるという訳ですね。応援よろしくお願いします。
 一生懸命に物事を、特に好きな事をやり遂げる。という使命を一身に背負って「アッ! という間」に迎える65周年で、またお会いしましょう。

グー・チョキ・パー

ホノルルの空港待ち合い室で搭乗を待っていると、背中合わせに座っていた子供3人がにぎやかです。親は、そんな子供に構わず2人してコックリを繰り返しています。
 突然、懐かしい手遊び唄が耳に入ってきました。「グー・チョキ・パーで何つくろー、グー・チョキ・パーで何つくろー」なつかしいなあー。しばらく聴き入ると「左手はグーで、右手はチョキで、かたつむり かたつむりー」うん、うん、なるほど。聴いていると、かたつむりばかりです。そのうちに搭乗の時間がきました。手遊び姉妹はずーっと後ろの席へ行ってしまいました。
 さて、全日空1051便は成田へ向けて離陸します。リクライニングを倒すのももどかしく、早くも私は夢の中、と思いきや、さっきの唄が気になって寝付かれません。家内は映画を観ていて「知らないわ」とつれない返事。ああ、どうしよう!「左手はグーで右手もグーで、雪だるま、雪だるまー」やけに手が黒いな。いい大人が握りこぶしを重ねて考えています。「左手はパーで、右手もパーで、チョウチョ、チョウチョ」手のひらをパタパタします。そんな妄想をしていたら、私は機内食を食べる事もなくいつの間にか夢の世界へ吸い込まれていました。夢の中で私は誰かにつばきを飛ばしながら力説しています。「その人のセンスで、即興で歌詞を考える。子供の想像力を高める音感教育、いわゆる情操教育の一環なんだよ、グー・チョキ・パー遊びは!」
 帰国したその日に、私はすぐにこの唄をネットのユーチューブで聴きました。色々な歌がありました。もちろん、かわいい幼稚園児たちが唄う「グー・チョキ・パー」も楽しかったのですが、他にも色々な子供の手遊び唄を聴けた事。中でも、キッチンオーケストラは楽しい唄ですねー。「聞こえてくるよ キッチンから おいしい音の音楽会。まな板たたいてトントントン…」キリがないので、あなたもユーチューブで楽しんで下さい。 11人いる私達の孫たちなんですが、こんどの祝日は、どこの孫を呼んで一緒に唄おうかな。いやいや、遊んでもらおうかな。「♪グー・チョキ・パーで何つくろー、グー・チョキ・パーで何つくろー♪」

弊社社長 菅田耕司のコラム


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