コラム 三寒四温

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ハニーコム

咋秋にIBIE視察ツアーで、米国カリフォルニア州のサンタバーバラの路上ファーマーズマーケットで出会ったライムキャビアがTVの情報番組で紹介されていたのには驚かされました。
H28年11月14日アップ記事参照

日本人の “食” に対する探究心は本当に感心するほどに素早く、かつ「利」に敏いなと理解した次第です。同マーケットでもう一つ土産に買った「ハニーコム」は、私の大好物で普段でもキッチンに常備されている、ごく普通の食材なのですが、たまたま家で近隣の友人を招いたパーティーのテーブルに、このハニーコムとマスカルポーネとバゲットのスライスを用意したところ、ほとんどの友人がハニーコムの存在を知らなかったのには驚かされました。

「エッ? ハニーコム、知らないの?」
「ハチの巣のスライスなんて、初めて見たわ!」
「本当だわ。ミツロウというのかしら、この巣も一緒に食べられるの?」

こんな会話のやりとりがあって、私はスライスしたバゲットを手に取りマスカルポーネを多めに塗って、その上にバターナイフでそぎ取ったハニーコムをたっぷりのせて手渡しました。好奇な目を上目づかいにそらしながら、半分ほど齧ると

「ウワー、とてもおいしいわ!」

そりゃそうですよ、私の大好物なのですし、まずいものをおもてなしとして提供するわけがありません。次々と皆がマネをして舌鼓を打ち、ワインで乾杯、当然のように笑みがこぼれます。今夜の白ワインは、サンタバーバラ近郊のナパバレーで生産されているニュートンのシャルドネ・アンフィルテッドです。同じ土壌で育まれたもの同士なら相性もいいかな? と閃いたおもてなしの一品、皆様もお試しになってみてはいかがでしょうか。

サンタバーバラのハニーコムは別格として、日本でも通販、または広尾のナショナル麻布マーケットなどで販売しています。ハニーコムには全粒粉のパンが “合う”と私は思います。特に軽くトーストしたマフィンでは絶品ですね。ランチパックで販売すると単価が気になりますが、ベーカリーでも春の新商品として一捻りして創作してみてください。良いアイデアができたら教えてください。お便り、お待ちしておりまーす。

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恵方巻

2月3日の節分には、小さい頃から豆をまいて鬼は外! 福は内!と、よく遊んだものですね。TVニュースを見ていると、成田山新勝寺では恒例となった大相撲の関取衆や歌舞伎役者らが裃をつけて壇上
から大勢集まった参観客に向かって、大きなマスに入った豆を投げ、それを取ろうと両手を高々と差し伸べている人・人・人。微笑ましいシーンであります。

オヤ、よく見ると豆は小袋に入ったものを投げていますね。そうなんですね、汚さない、汚れない、そして食べられる。気配りに拍手であります。

という訳で、我が家でも家内に向かってその日だけは堂々と「鬼は外!」と大声で袋入りの豆を投げつけられる年に一度だけの楽しい日なのでありますが、あまりしつこくすると、おかんむりになられますのでご注意を。


さて、節分の豆まきが済んだら「恵方巻」を食べるんですよね? 

私はこの商戦というか、しきたりなのか、食べ方や風習をよく理解していませんでしたが、現在では大阪発信で全国区へと波及し、すっかり現代社会の常識として根付いているようです。コンビニの店頭には、おいしそうな太巻寿司の宣伝写真が貼られ、スーパーやデパートのチラシにも恵方巻の予約販売で1本数百円から1万円くらいする高級な太巻が賑わいを競っています。

私、思うんですが、何も恵方巻は寿司の太巻でなくても良いのでは無いでしょうか? ジャムマーガリンのコッペパンを海苔で巻くとか、ロールケーキをクレープで巻くとか、まるごとバナナのスポンジを太巻風にアレンジするとか、いかがでしょう? ベーカリーの皆さん、次回の節分にはバラエティー豊かな“創作恵方巻”で商戦を勝ち抜きませんか。ちなみに私のアイデアは、バゲットの中身をくりぬいてハモンセラーノやプロセスチーズに、クレソン等の野菜をミックスしてバルサミコ酢で軽く味付けをほどこして詰めた恵方巻。くりぬいた中身は巻き簾に全型の海苔を敷いてシャリの代わりに、そこにマスカルポーネを塗り、ハニーをかけて巻き、 180℃の油でさっと揚げます。そば寿司ならぬ「パン寿司恵方巻」。ちょっと挑戦してみませんか?

パン産業の明日に向かって

タイ王国は悠久の歴史を経て現在があります。


温暖な気候、そして“微笑みの国”といわれるほどに人情味あふれる人々。そんな魅力の一方で、我が日本には無いものが多いと感じるのも事実です。

例えば甘味と辛味と酸味が混在するトム・ヤン・クンを味わえば、その違いを実感できるでしょう。人も食も文化も社会も、日本とは対極とも思える関係性にも拘らず、一度タイを訪れたら、誰もがその魅力の虜になってしまいます。日本との相違点こそが我々を惹きつけていることは、本年2017年で日・タイ修好130周年という長い歴史が物語っています。

弊社は本年、創業70周年を迎えるにあたり、「パン産業の明日に向かって」をコンセプトに記念事業を企画しました。その第一弾としてタイ王国の巨大企業「サハグループ」により、1982年バンコクに創設されたプレジデントベーカリー、ブランド名ファームハウスを訪問するツアーを企画しました。

プレジデントベーカリーは国際標準のタイ国内産ベーカリー製品の製造・流通を行い、2015年には売上高が73億5千万バーツ(1バーツ=3.3円/2016年10月現在)と、2008年比で約2倍の成長を遂げている超優良企業です。現在、ラカバン工業団地に4工場、バンチャンには新工場を含めて2工場の設備を誇り、ホールセール89%、リテイル2.3%、ファストフード・ケータリング7.3%、輸出部門0.08%の構成比で幅広い生産を行っています。

今回は、食パン製造ラインを増設した新工場が2017年2月より本格稼働を開始したことから、同社最高責任者のアピチャー・タマノマイ社長に新工場の見学を申し入れたところ、弊社企画の訪問見学を快く受け入れていただきました、

東南アジア諸国において衛生面、設備等でレベルが高く成功している製パン企業の全貌を視察し、アピチャー社長のサクセスストーリーと今後の事業展開、世界における製パン企業の在り方等をテーマとして、見学当日に講演もしていただきます。このツアーは必ずや日本のパン産業の明日に向かって、役立つ新たな方向性や切り口を見せてくれることでしょう。

羽田発着の全日空便で7月6~9日のスケジュールが決定しました。詳細は改めて後日発表します。

アメリカン倶楽部

「シェフズテーブル」。

最近よく耳にするレストラン用語ですが、その名の通りレストランのキッチン内に用意されたテーブルのことで、味だけでなくライブ感も楽しめる食事スタイルです。
 
40年ほど前のことです。港区麻布台のロシア大使館の裏手にある重厚な佇まいの会員制倶楽部「東京アメリカン倶楽部」(通称:TAC)内のレストランに、第一屋製パンの細貝理栄さんにご招待いただきました。日曜日のシャンパン・ブランチという新鮮でセレブリティー感あふれるひとときに、私は緊張のあまりキョロキョロソワソワと落ち着かず、額には汗していた事を思い出します。

その時以来「僕は必ずここのメンバーになる」と強く決心しました。

プール、ボーリング場、スカッシュコート、バスケットボールコート、図書館、ジムとスパ施設、そして個性豊かな5つのレストランに、500人収容可能なパーティー用のボールルーム等々。トイレには自動の靴磨き機が備えられ、手洗い用の1枚ずつ使用するハンドタオルは手編みの竹カゴにさりげなく置かれています。パーキングはすべてバレットで駐車時の煩わしさがありません。館内すべての表記は英語で、周りを見渡せばほとんどが外国人の方で日本人の姿はまれにしか目にしませんでした。

それから四半世紀ほど経たのちの15年ほど前、運命的に私は会員になれました。細貝ファミリーとは、今では時折お互いの孫を連れてプールでお会いしたりして、会員ライフをエンジョイしています。

TACの3階には、1万本を超える世界中のワインがコレクションされているステーキハウス「チョップス」があります。希少なアメリカ産ブラックアンガスビーフのTボーン(約2パウンド)が私のおすすめなのですが、ここのキッチン内にシェフズテーブルがあります。客席から見渡せるオープンキッチンはそれなりに躍動感があり、繁盛店で厨房を見ながら食事をするのも楽しいですが、キッチンの中はもっと“すごい!”のです。

飛び交う係の声、オーダーの確認、シェフによるソースの味見、客のアレルギーに対応したメニューの確認を行うスタッフが立ったままミーティングしています。次々に出される料理、早口の英語は大声で厨房の隅々まで響き渡り、もちろんシェフズテーブルにも筒抜けです。楽しい! 特に食べるペースに合わせて音や香り、そして作り立ての究極の料理がもてなされます。

作り手が見える、香りを感じる。でき上がりまでの全てを目にすることができる「オペレーションの確立」を、ベーカリーの調理と販売にも生かすことができたら面白いですね。
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弊社社長 菅田耕司のコラム


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