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コラム 三寒四温

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〝吉〟の踏切

カン・カン・カンと最初はけたたましく鳴り始めた踏切の警告音も、遮断機が降り始める頃には遠慮しがちにピアノの弱音ペダルを踏んだような小さな音に変わり、やがて左右交互にゆっくりと遮断機は降りきりました。踏切脇で電車の通過を待っていると、頭上に設置された町内会放送用のスピーカーからジングルベルが聞こえてきます。それが妙に警告音とマッチするから不思議です。なにか、リズムをとって「フンフンフン・フンフンフン」なんてメロデってしまいます。
 ここは京王線・下高井戸駅前の踏切です。隣には三軒茶屋まで行く可愛い世田谷線の始発駅で、2カ月前に引っ越してきた私の家の最寄駅でもあります。
 私の家内は、40年ほど前に、住友銀行下高井戸支店に配属されていたそうで、この踏切も街並みも、そして銀行も寿司屋も「昔のままね」と感慨深く、辺りを見回しながら愛犬と散歩を楽しんでいます。
 風を巻き起こしながら上下線の急行電車が通過して踏切が開きました。ミニスカートの女子高生たちが駅前で売っている焼きたてのメロンパンをかじりながらキャッキャッはしゃいで渡ります。出前カゴを下げた蕎麦屋のバイクは遠慮がちにヨロヨロ渡り、その脇を子供を後ろに乗せたママチャリが慣れたハンドルさばきで追い越します。なんで今日に限って踏切に愛着があるんだろうか? 線路の真ん中に立って先を見ると、自分の人生が見えそうになるんです。ぼんやりと陽炎のごとく、この先にある私の2012年、65歳になったら私には今度はどんな試練が待っているのでしょうか。親しくしていただいた内藤利邦さんとの余りにも早いお別れ、友人も知人も親戚も、櫛の歯が抜けるように親しい人たちが私の前から消えていった2011年。悲しい、淋しい人生の試練の年頃なんですね。ですから、2012年には私は友人をたくさん作ろうと思います。「人間万事塞翁が馬」という格言がありますが、人生はなるようにしかならず、ましてや運命の吉凶は予測できません。ですから私はこれからもたくさんの友人を作りたいと願うのです。
 来年は会社も私も65周年。多くの友人と共に祝い合えたら、嬉しいです。これからは〝凶〟の踏切は迂回して〝吉〟の踏切を渡るとしましょう。良き友と共に。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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