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コラム 三寒四温

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香腸詰

今から四半世紀以上前と言うと少し大げさですが、中央線高円寺駅北口そばの雑居店舗に2坪弱の小さな台湾料理店がありました。台湾人の洪さんが1人で切り盛りする料理は“毎日食べても飽きがこない”薬膳を取り入れた台湾家庭料理の数々。好きだったメニューを思い出せば、ガツにんにく炒め、汁ビーフンと炒めビーフン、秘伝のタレで煮込んだ玉子や豚三枚肉、鶏手羽、豚足……すべて舌が記憶しています。ですから今でも時折、洪さんから伝授されたお手製台湾料理を我が家で客人にふるまうと大変に喜ばれます。

洪さんは当時70歳を超えていたでしょうか、店が引けてから高円寺界隈を2人してよく飲み歩いたものです。洪さんは日本の醤油中毒? というか、何にでもたっぷりかけるのに驚かされました。そしてキリンラガーの大瓶を4~5本と流し込む飲みっぷりも少し心配でしたが、「私のスタイルだから」と潔い一言。いつしか私も醤油中毒にかかっていたようです。有名店の鍋前のカウンターでいただく天ぷらも、天つゆではなく持参のマイボトル醤油という按配です。

洪さんの料理で1つだけ、どうしても未だに作れないものが絶品の「香腸詰」。思い出しただけでも「アー! 食べたい!」と我慢できません。これを求めて東京中を探してみたのですが、結果はあの甘い腸詰にしか行き当たりませんでした。

「この香腸詰、いい香りですね」

洪さんはニコニコして
「ありがとう、そうなんだよ。だから香腸詰なんだよ」

この会話が頭に焼き付いています。

「そうだ、中国の香料をいろいろと調べてみよう」

という訳で先週、豚肉を荒みじんに叩いて、塩コショウ、紹興酒に加えて五香粉を混ぜて、天然の塩抜きした豚腸に詰めて5時間ほど自然乾燥させてみたところ、洪さんの店の壁に打った釘に掛けてぶら下がっていた香腸詰に限りなく近い香りと“形”になりました。それでは試食してみましょう。爪楊枝で10カ所ほど刺してパンクしないように穴を開け160℃の低温でじっくり揚げます。揚がったら太目の斜め切りにして白髪ネギと豆板醤をのせて食べてみると「ウン、これこれ、この味と香りは近いものがあるよ」。家内にも試食してもらうと「あー、洪さんの香腸詰だわー、でも30点ね」と手厳しいのですが、お互いに四半世紀の時を遡ります。それに合わせるのは真っ赤なラベルの5年物の台湾の紹興酒600 ml入り。いつも洪さんの店で飲んでいました。酒屋で1本600円くらいで今でも売っています。

香腸詰の味はまだまだ洪さんには及びませんが、成功した暁には紹興酒と共に読者プレゼントする予定です。お楽しみに!

弊社社長 菅田耕司のコラム


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