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コラム 三寒四温

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良心の呵責

私は大学3年生になった時、生涯初めてのアルバイトをしました。

週に3回、ランチタイムの11時から2時まで3時間のシフトでした。ご存知のように3、4年生は単位を計算しながら自分の裁量で授業を選べるので、なんというか……もっと女の子と仲良くなりたいというスケベ根性で友人と2人で決めました。ちなみに友人は学内でも有名な美男子で、おまけに良家の一人息子。
(よくモテたのに、またなんで?)

カフェテリア。
今ではお洒落な街にはどこでも見かけますよね。代官山や表参道あたりでは街路樹からの木漏れ陽を浴びながら、ガーデンテラスでお茶するトレンディなお嬢さんがお洒落過ぎて私などはなかなか入店する勇気がありません。

そのお店は新宿駅ビル地下1階の飲食街にありました。今はファッション街に様がわりして面影はどこにもありませんが、確かに私がアルバイトをしたカフェテリアがありました。
(アー、店名が思い出せない!)

友人と二人揃って採用されると彼はウエーター、そして私はキッチンに配属されました。

「俺だってウエーターを志望したのに、なんてこった。でも仕方ないか」

なんてふてくされながらも覚えたオムライスは今でも私の得意料理の一品です。形よくフワフワの卵にくるまれたチキンライスの脇には大ぶりのパセリが一束添えられます。よく出るドリンクはソーダ水。缶詰の赤いチェリーを1つ入れるのがミソで、見た目にも美しいですよね。

しかしそのパセリとチェリー、2つのアイキャッチが問題なのです。キッチンのバイトは洗い場も兼ねるのでオムライスの皿やソーダ水のコップも私が洗うのですが、必ずといっていいほどに、ほとんどのパセリとチェリーは手つかずで下げられます。

「あー、また罪な事をしなければならないな、まったく」

実はバイト初日に店長からの訓辞で

“パセリとチェリーは見た目が綺麗だったら、洗って再利用してください”

とのお達しがありました。今だったら衛生管理や偽装などにかかわる大問題ですよね。ですから、いつぞやの“囁き女将”の記者会見のニュースは苦々しく観ていました。

結局私は一緒に入った友人とともに、1カ月足らずでその店を辞めました。それでも、なぜすぐには辞めずに続けたのかって? 若い僕らの良心の呵責は、その程度だったのでしょう。戦後70年の中にあって戦後生まれの私達は時代に流されました。

そんな中、楽しみは2時上がりの昼食です。自慢のオムライスを社割で食べる事、もちろんパセリとソーダ水のチェリーには手を付けません。今でも続く習慣ですからトラウマになっているのでしょう。そうそう、店の前の支那そば屋で食べる醤油ラーメンもおいしかったなー。ナルトが2切れも入っていたのです。残念ながらこちらの店名も思い出せません。

「私に過去の良心をくれるなら、
 あなたには未来の栄光を差し上げましょう」


って、何を言っているんだか。未だにこりゃ、さいなまれているな。

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弊社社長 菅田耕司のコラム


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