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コラム 三寒四温

弊社の週刊紙「速報・製パン情報」から、好評の三寒四温をご紹介。
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また来てください

京王線下高井戸駅前通りから一本入った小さな四つ角に私の好きな居酒屋があります。


桜が開花するあたりから店外のコーナーには小さなカウンターが組まれ、開け放たれたガラス戸の前では炭火で焼き鳥や焼トンの串を忙しく回しながら焼き具合を確かめる店長が、煙を避けながらリズミカルに焼き場前の厨房を仕切っています。

「カウンター7番さん、ガツポン、赤ウインナーと
 “中”(なか)頂きましたー」


いなせな紺色の前掛けをしたアルバイトの女子大生が、客の追加オーダーを大声で読み上げます。すると従業員が一斉に

「ありがとうございまーす」

と大合唱で返します。

いやぁ威勢がいいのは目にも耳にも、そして舌にもいいものです。
厨房をコの字に囲むカウンターがあり、そこを陣取る客のしぐさが手に取るように観察できる店外のカウンターは、一番の絶景ポイントです。

手際よく調理する店員は、揚げ物、炒め物と“中”、これはホッピーで割る焼酎で、氷とおかわりの“中”焼酎をジョッキに入れて接客の店員に渡します。

「ハイ、中と赤ウインナー、ガツポン、
 カウンター7番さん、おまたせしましたー」


すると一斉に

「お待たせしましたー」

私も生ビールをおかわりで、空ジョッキを焼き場から振り返った店長にグイッとみせると

「外一番様、生おかわり頂きましたー」
「ありがとうございまーす!」


寸分の狂いなくハーモニーが店内に響き渡ります。

「シロ2本タレで。(これは豚の腸ですね)
 豚レバーもタレで2本、ネギ間と銀杏、手羽は塩で一つずつお願いね」


同じく私のオーダーが店内に響き渡ります。

今日は土曜日の夕方6時、まだ明るい空を見やると曇り空の下に黒い雲が流されています。

「こりゃひと雨来るな」という訳で、お勘定を済ませて歩き出すなり案の定ポタポタと降ってきました。慌てて20mほど先の行きつけのイタメシ屋さんに雨宿りで入った瞬間、バケツをひっくり返すほどの大雨になりました。

バローロの赤ワインを1本頼み、まだ客のいない店内でマスターと外を眺めつつワインとチーズで30分ほど料理談義。話が咲き始めたあたりでぱたりと雨が止み、閉じた傘を振って雨を落とす家族連れ5名様のご来店で、お勘定です。

残ったワインはコルクをしてテイクアウト。さらにマスターが

「これ、サービスのホワイトアスパラの酢漬けです。食べてください」

と優しく微笑まれ、最後は

「また来てください」

と、心ニクイ殺し文句。
大柄な体格に似つかない猫なで声のような優しい声と笑顔のセリフは、どんな人の心をもわしづかみにして感動させてくれることでしょう。



「ハイ、また来ます。ありがとう」

弊社社長 菅田耕司のコラム


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