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コラム 三寒四温

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スッポン

 30年程前に、小学館から刊行された調理本「男の料理」。タイトルにつられて買い求めたこの本を現在でも私は料理のバイブルとして大事に使わせていただいています。当時は、この「男の料理」の中にあるほとんどの料理を作ってはみたものの、「はたして、この味で良いものか?」と試行錯誤する内に「調理」は体全体で覚えるものだと悟ったのが前回予告した〝スッポン料理〟であります。納得のいかない出来ばえに、当時は小学生の娘と2人して1カ月に5回ぐらいスッポンと格闘したものです。
  なにせ「男の料理」ですから小さじ何杯、スープ適量、としか書いてなく、「ここで醤油と酒を注いで火を弱めてからザラメを入れてふきこぼれさせないように注意する」てな、あんばいですから大変です。本の中盤に見ひらきで書かれているレシピと調理の手順の写真には、当時の料理の勲章であるスッポンの血がこびりついております。スッポンの甲羅を私が左手で押さえつけ、娘が手拭いをスッポンにかませ、引っ張る、首が長く出てくる、私が右手で出羽包丁を振り下ろす、娘が後に倒れ、天井と壁、床、そして本に血が飛び散る、私は冷静に用意しておいたコップの中に首から滴り落ちる血を、首を縛ってためる。と、まぁ、スッポン料理の一番最初の儀式は首を切られても、なお、手拭いにかみついているスッポンの首を持つ娘が「もう、やだぁ」と怒り、顔についた血を、首のついたその手拭いで拭っているというオカルトの世界から始まるのです。そして、すぐさま甲羅を外して刺身用の身も削いでから小さなピクピク動く心臓を血の入ったコップに入れ、一気に飲み干すのです。スッポン鍋をいただく前にある過程がスッポン料理の醍醐味ではないでしょうか?わさび醤油でいただくスッポンの刺身と心臓入りの血は精気をみなぎらせますよね。そして、お決まりのスッポン鍋となるわけなんです。当時の我が家の土鍋はスッポン専用でして決して水洗いはせずに、軽くふいて天火干し、5~6回それを繰り返すと水と炊いた米を入れて火にかけるだけでスッポン雑炊らしきものが味わえたから不思議です。それだけ濃いスープのエキスが土鍋に染み込んでいるのでしょうね。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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