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コラム 三寒四温

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本当の信念

冬の夜空に煌めくたくさんの星。そう、宇宙には無数の星が輝いています。当然ですが、私達が住む地球もその中の1つなのです。

自宅14階のベランダに出て夜空を見上げると思わずブルッ! と体が震えました。広大な宇宙に思いを馳せ夢を描いたから……なのかどうかはともかく、ただただ寒かっただけなのかもしれません。

2018年、アメリカ・ファーストを唱えるトランプ大統領の言動に世界が揺れ続けた1年でした。少子高齢化、外国人労働者の受け入れ、地球の温暖化と大気・海洋の汚染。震災や水害、テロなど国内外で問題や災難が次々と起こった1年でもありました。

しかし、ニュースを追ってグローバルに視野を広げても、なぜか他人事というか、ワイドショー的な、というよりも“喉元過ぎれば……”という人間のいかに多い事か!

まっ、「親の立場も様々に、子供の立場も様々に」で納めるくらいしか認識できない自分が情けなくなります。流行語大賞のノミネートを固辞した“スーパーボランティアおじいちゃん”は我らにとって「月光仮面」のようなヒーローです。齢80歳近くの御身であの行動力は団塊の世代の私達も見習わなければなりませんが、とても体がついていきません。

「人間の本当の信念は、行動する事」。

これが無ければ決して前には進めません。毎年、大晦日が近づくたびに思うのは、

「今年は何をしたのか、何ができたのか」。

何も実行できなかった。いや、しようとしなかった自分がここにいます。100歳世代といわれる現在、私にとっての2019年は「本当の信念」を見つけるスタートの年となります。まだ30年近くあるのですから、「何か」できる「行動」を起こさなくては。

星の輝きに思いを馳せながら、新年の誓いを新たに立てるのでした。




ハットグ

新宿の百人町は楽しい町だ。いつ歩いても、どこを歩いても新しい発見と驚きがあり、英気を与えてくれる毎日だ。韓流好きの家内はこの町で決して早歩きをしない。のんびりブラブラ、気になる店があれば奥までのぞきこんで商品や客を観察する、街歩きの醍醐味といった趣です。

この街にはネパールやイラン、インドなどからもかなりの人々が集まっているようで、エスニックな香辛料の香りが漂う店が集まるエリアでは日本にいる実感がなくなります。山手線・新大久保駅前通りを最近では「コリアン・ストリート」と呼ぶそうです。コリアンストリートから直角に入る道は百人町文化ストリートで、ともに終日人・人・人でごったがえしていて、大久保通りの車道にも人が溢れるほど。そして今流行の韓国風アメリカンドッグ「ハットグ」を食べるJKの集団も。
「チーズ超のびる!」「楽しぃ~!」とはしゃぎながら雑踏の中、思いおもいのポーズでハットグの味とインスタを楽しんでいます。

大音量のBGMを流しながら若い女性向け高収入アルバイトを宣伝する、派手なイラストが施されたトラックが走り去りました。原宿の竹下通りや渋谷のセンター街、スクランブル交差点の雑踏と同様の賑わい(騒々しさ)も、なぜか新大久保界隈では不思議と楽しめますね。そして午後8時を過ぎると人通りがグッと減って落ち着きを取り戻すあたりが渋谷との大きな違いで好感度大であります。もちろん、ユッケジャンスープやスンドゥブチゲなどコリアン料理が存分に楽しめる“本場”なのも理由の1つです。

新居からほど近い、コリアンストリートを横道に入ったところに「コーヒードリーム」というカフェがあります。こちらのオーナーは人気韓流ドラマ「コーヒープリンス1号店」の制作現場で主演のコン・ユさんやスタッフに、ドリップなどのバリスタ指導を担当したそうです。私もさっそく常連となって3日に一度はダブルエスプレッソを楽しんでいますが、韓流メインの新大久保、それもドラマの“聖地”ということでコリアンストリートから少々外れた立地でも女性客がワイワイと賑やかであります。特に日本人の中年女性が多いですね。壁一面に貼られたドラマ撮影時のスチール写真で目の保養と癒やしを求めてやってくるのでしょう。

2019年早々にハットグをコンビニで販売! なんて噂も聞きました。“チンする菓子パン、ハットグ”がパンコーナーに並ぶのでしょうか。


そうだ、ダル湖へ行こう!

パテック・フィリップ社から送られてきた会員誌をパラパラとめくっていると、懐かしい風景のカラー写真に思わず目が止まり、テクストを読む。

「夢が浮遊する伝説の地」というタイトルにリードが続く。

平和と官能的な美を併せ持つカシミールは、20世紀にいくつもの国が領有権を求めて争う状況に陥っていた。現在、この地上の楽園には平穏が戻りつつあり、冒険心溢れる旅行者たちは、カシミールの夏季の州都であるスリナガルの湖畔に佇む、非常にロマンティックなハウスボートを再び訪れることができるようになった。
 
40年ほど前、バックパッカーだった私はスリナガルのダル湖に建つハウスボートホテルに1週間ほど滞在した。鏡のような湖面にせり出すハウスボートのデッキでぼんやりしていると、シカラと呼ばれる小さなゴンドラが近づいてくる。オールを操って陽に灼けた老人が音もなくスーッとボートハウスのヘリにある階段下にシカラをつけると、私に手招きをした。老人は小さな皿に細くて赤いものを数本のせて、湖の水をすくい、混ぜてみせる。言葉は通じない。

その瞬間、小皿の水が見事なオレンジ色に変わった。

「サフランだ!」
買って下さい、と身振り手振りで私に促す。「いい記念になりそうだ」と財布を見ると、日本円の千円札しかない。1枚を老人に手渡すと、首を傾げながらも握り拳ほどのサフランが詰まったビニール袋をくれた。翌日、湖を眺めていると、また違うシカラがやって来た。今度は老婆が手招く。そこで買ったのが、見事なまでにカラフルな刺繍が施されたベッドカバー(?)。いくら支払ったかは覚えていないが、今でも我が家にあり、時折ベッドカバーとして使用している。

ビートルズのジョージ・ハリスンは、このダル湖のボートハウスに6週間滞在してシタールの演奏を学んだという。その後、4人揃ってヒゲをボウボウとたくわえた彼らの楽曲が微妙に変化していった事に気付いたのは僕だけではないだろう。

日本を代表する作家、三島由紀夫氏の絶筆となった「豊饒の海」最終巻を書き上げたのもやはりダル湖滞在期間中と後に知る事となり、驚かされた。最後の原稿を出版社に送った直後に自衛隊市ヶ谷駐屯地での演説・割腹自殺へと帰結したのは、神秘性溢れるこの地で、彼なりに“何か”を悟ってしまったからなのかもしれない。

平穏と静寂に包まれた夕暮れのダル湖に、イスラム教のサラート(礼拝)の時を知らせるムアンシンの声が湖上を走る。徐々に思い出す懐かしい風景は、どれも素晴らしい光景だった。

「そうだ、ダル湖へ行こう!」
2019年のコラムはここで書く事にしよう。

インドには、行こうと思っただけの人は行けないのです。
呼ばれた人しか行けないのです。

40年前に日本で知り合ったインド系シンガポール人の言葉だ。



ミニかきあげ天丼

自分の命のことで何を食べようか 何を着ようかと思い悩むな 
命は食べものより大切で 体は衣服より大切

聖書・マタイによる福音書 6章 23~34節に書かれています。
 
しかし、何という事でしょう。私は今日何を着ようか、今日のランチは何を食べようかと毎日のように思い悩んでいます。もちろん聖書の御言葉は“欲望”を叱っているのではなく、思い悩む前に自分の命の事を考えなさい、それはどのようにして得たのか? 命は神様からの賜物の解釈を例えて教えてくれているのです。が、冒頭の言葉は身に染みるものがあります。衣・食への欲望は限りなく、大きな気持ちが自身の中心にある事を!

我が身を戒めるかのように御言葉を少しだけ思い出しつつ、今日は日本橋三越の地下食品売場へ一人で出張りました。時は13時半、全摘した“幻の胃”なのか小腸なのか、少し小腹が空いたようです。明日のディナーはNOBUだから今日は鰻かなぁ~などとイートインのコーナーを歩くと、すでに10人ほどの列。ならば隣の山の上ホテルの天ぷらをと足を向ければ、運良く空いていた2人席のテーブルに通されました。

いつものようにメニューを開いて思い悩んだ末、少量のミニかき揚げ天丼に決定! 左隣のご老人3人組も、女性2人が私と同じ“ミニ”で男性は普通の天丼をオーダーしていたらしく、私も着席したらすぐにサービスされました。

と、ここで事件が! 奥に座るおばさまが、かきあげの中から小海老をひとつずつ丼のフタに移しています。

「あら、どうしたの?」

もう一人のご婦人が尋ねると

「私、エビが苦手なの」

ありゃりゃ、ミニかきあげ天丼の具材は小海老とイカだけですよー。と思った矢先、ご主人の漬物皿を手に取り、自分の丼に全てのせて食べはじめました。どうやらご主人は漬物が苦手みたいです。結局最後はフタに山積みとなった小海老には誰も手を付けることなくお勘定です。この御老人もまた、あれやこれやと思い悩みつつ、“イカ天とお漬物丼”を承知の上でオーダーしたのでしょうか。

命を創造していただいた賜物の御言葉なのに、食後に「さて、今夜のおかずは何にしようか」と惣菜売場で一人思い悩みながら、内なる葛藤を続ける私でした。

弊社社長 菅田耕司のコラム


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