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コラム 三寒四温

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祝福の虹

「ノアの箱舟」は皆さんご存知ですよね。では、“虹”の話は如何でしょう?


神様は、洪水のあとに二度と洪水によって世界を滅ぼすことはしないとノアに約束され、虹をそのしるしとしました。


クリスチャンなら誰もが知っている神様による祝福です。これは神様が人間と結んだ初めての契約なんです。この事は一般的にはあまり知られているとはいえませんね。

生まれも育ちも東京という私の“第2の故郷”は、5年近く住んでいたハワイです。ですから毎年のように私はハワイを訪れています。ホノルル空港からホテルへ向かうフリーウェイの山側は雨が降っているようで、風が運んでくる小雨が時折フロントガラスを濡らします。そんな時に、いつも虹が現れるんですよね。しかも運が良ければ“ダブルレインボー”も拝めます。

街中を走る車のナンバープレートや、私が40年前に取得して6年ごとに更新しているハワイ州のドライバーズライセンスにも虹が描かれています。虹を見ると心穏やかになるものです。それは誰しもが、神様からの祝福を公平に授けられている喜びを感じているからではないでしょうか。クリスチャンに限らず、他の宗教を信仰する人達、全ての人が虹を見て怒ったり嘆き悲しむ事は無く、幸福を共有できるシンボルなんですね。

今年4月、入院前に友人と連れ立ってホノルルへ行ってきました。ホテルはワイキキとは正反対のコオリナ地区にあるフォーシーズンズホテルで、まったりとした休日を過ごしました。ワイキキからアラモアナへ移転新装となったNOBU HAWAIIへ行く事は6人全員のお約束でございまして、ハワイならではの食材を使用したNOBUの創作日本料理は一品々、目に舌に驚きと喜びを与えてくれ、自然と会話が弾む楽しいひと時でありました。もちろんコオリナからホノルルへ向かうレンタカーからは絶景のダブルレインボーが出迎えてくれたのは言うまでもありません。

ホテルのアダルトプールでまったりしていると、時折フリーで供されるピンチョスとフルーツジュースを楽しむ視線の先に広がる水平線。なんという贅沢! 頭上のヤシの木の上には再び虹がかかりました。そんな時、思わず目を閉じて賛美歌の一節を口ずさんでしまいました。


静けき祈りの時はいと楽し。


今年は例年にも増して未曾有の水害が各地を襲っています。そして北海道の震災。何という試練の連続でしょうか。大手ベーカリーはパンや弁当、飲み物などの支援物資を満載したトラックで出動、各自治体からの要請に基づいて迅速な活動が粛々と遂行されています。

今、私にできる事は募金と祈りだけですが、日本国民の誰もが、そして世界の友人たちが何らかの形で援助してくれる事を目の当たりにして、感謝いっぱいになりました。私は現地へ行っていませんが、この試練の先に祝福の虹がかかる事を信じます。


真夏の第九

山崎製パン㈱の創業70周年記念コンサートが8月24日に赤坂のサントリーホールで開催されました。

女優の松たか子さんの司会進行のもと、メンデルスゾーンがシェイクスピアの戯曲に感銘を受けて作曲したという序曲「真夏の夜の夢」でスタート。続いてヴァイオリニストの千住真理子さんを迎えて、同じくメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64」。“幻のストラディヴァリウス”と名高いデュランティを巧みに操る千住さんの繊細かつ重厚感たっぷりの音色が二千人の聴衆を魅了しました。

指揮は大友直人さん、演奏は東京交響楽団です。大友さんの指揮スタイルは、かつて彼自身も指導を仰いだ小澤征爾さんを彷彿とさせるもので、今後ますます世界を舞台にご活躍されることでしょう。

何より、この記念コンサートで驚かされたのが最後の演目。ベートーヴェンの交響曲第9番ニ短調作品125より第3・4楽章。そう、年末に日本各地のホールで奏でられ、師走の風物詩ともいえる“第九”です。ソプラノ・アルト・テノール・バスそれぞれの独唱に東響コーラスによる100人以上の合唱が加わって“歓喜の歌”が満員のサントリーホールを揺るがす様は、圧巻そのもの!

「おお 友よ、この調べではなく、歓びにあふれた調べを歌おう」

この一節で始まる歓喜の歌は、まさに山崎製パン㈱の創業70周年にふさわしい選曲であり、すべての聴衆の心に響き渡りました。止むことのないアンコールの拍手に包まれながら、皆さんと共有した〝歓
喜〟のひととき。まさに真夏の夜の夢、感動の一夜となりました。
 
70周年、おめでとうございます。


破顔



「常にバージョンアップする努力をしていますか?」

などと、どこかのセミナーで講師が熱弁をふるっています。まあずいぶんとファジーな物言いではありますが、ヒト・モノ・コトに振り分けて、それぞれについてあてはめて考えてみると秒殺で感化されて「なるほど」と納得してしまう私は、この手の類いのセミナー主催者にとって格好の標的かもしれません。

バージョンアップとブラッシュアップ。「ん、同じ意味かな?」などと考え込んでみても時間の無駄ですね。元々の感性無くしてなし得られるものではありません。

連日続く猛暑の今夏、私のバージョンアップは「舌の進化」です。という訳で、長い入院生活で病院食になじんでしまった我が“舌”を絶好調に回復させるべく、まずは思い切り喜ばせてあげたい! と、超我がままに(体調と相談しながら)、なじみのレストランを訪ねまくっております。真っ先に足を向けたのは、言わずもがなの高円寺「さぬきや」。お洒落なイケメン店主の近藤くん(通称:やっちゃん)は暖簾をくぐった私の顔を見るや破顔して私を迎え入れてくれました。

「さぬきや」はうどん屋の看板を掲げながらも、その実、酒・肴の名店なのです。お通しからシメまで際限なく絶妙なまでに酒と肴の相性を高めてくれるメニューの数々。そう、彼こそが、日々バージョンアップし続ける“人”なのであります。

提供される酒・肴の合間に出される、この時季ならではの逸品、さて今宵は・・・

小振りの洒落た木椀に盛られた“冷やしカレーうどん”です! 他の客の料理をつくりながら冷やしカレーうどんを食べる私の顔を、最初からドヤ顔でうかがうやっちゃん。「これ、最高!」

至高の酒肴を締めるうどんは、全粒粉のぶっかけうどん!
 やっちゃん、やっぱりハンパない!という訳で、ごちそうさまでした。


翌週、体調抜群の日にNOBU東京へ行きました。
久々に見渡すオープンキッチンには元気な従業員の面々が、「お帰りなさい!」とここでも破顔して全員が声掛けしてくれます。あーこの空間、このひと時、この爽快感がNOBUにはある! ホスピタリティーあふれる“世界のNOBU”だからできる、もうひとつの“味”なんですね。

まだまだ行かなければならないお店がたくさんあります。会わなければいけない人がたくさん待っています。私のバージョンアップの夏は、まだ終わりません。


日々是好日

うだるような暑さの中、杖をつきながらブラブラと渋谷を歩いていると、通りすがりに大きなガラス張りの入口から美しい内装が伺えるお店が目に入りました。「オヤッ? この空間は何だろう」と思わず中へ入ってしまいました。

心地良い涼風が体を包みます。まず目に飛び込んだのは、さりげなく、そして品良くディスプレイされたドッグパンの数々。これでもかとナポリタンスパゲティが詰められたドッグパン。焼きそばやコロッケなど色々あります。レトロでノスタルジックな昭和の香り漂う具材の詰まったドッグパンが、こんなお洒落なところで売られている驚き!

真新しいビルの1階は、大胆なレイアウトが目を惹くベーカリーカフェ。そして2階にファッション雑貨、3階にはホテルという複合ビルです。
(詳細は弊社発行の日本パン菓子新聞・8月1日増刊号で紹介している「koe lobby」を御覧ください)
スタイリッシュな外観で抱いた期待を裏切らない、実に良い風景。最近流行りの“コト消費”やインバウンド観光客の受けも上々といった趣きです。

こちらを手がけた社長は岡山を拠点に海外進出も視野に入れる新進気鋭の若き企業家で、本業はアパレル。いやあ、最近では複数企業とのアライアンスで経営多角化戦略のもと、異業種タッグを組むのが当たり前になってきましたね。ただし、必ずしも効果が得られるかは未知数。まずは“人材”の確保と起用法にあるのは古今東西間違いありません。果たしてシナジー効果のほどはいかに?

ところで、私はこのカフェベーカリーを自ら取材した訳ではありません。編集部に「こんなパン屋ができたよ」と教えただけ。いつもこんな調子で、知らないパン屋さんへ入る“冒険”が日常になっています。それはパン屋にとどまらず「オヤッ?」と何かを感じた店には、中に客がいなくても勇気をもって探索するのが好きなのです。特に食べ物屋さんの場合、“ここだけの味わい”に出会う楽しみも。いや、楽しめない事の方が多いかな。皆さんも“冒険”という感覚で実践してみてはいかがでしょう? 私の言っていることがお分かりいただけるかと思います。

お客様にも、製品にも、従業員にも「敬意」「責務」「大志」「勤勉」を以って向き合う。そうすればおのずと“日々是好日”で過ごせるはず。

私もそんな風に生き(行き)たいものです。


弊社社長 菅田耕司のコラム


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